STUDY

CHAPTER 01

「ロカボ糖質」とは、
「利用可能炭水化物」を元に算出したものです。
消費者庁の食品表示では、炭水化物(糖質+食物繊維)の表示義務はあるものの糖質の表示義務はありません。その上、カロリー0kcal/gの低糖質甘味料についても、炭水化物(糖質)に含めて重量表示しなくてはいけません。
よって、低糖質甘味料を使用したデザートでは、糖質4g、カロリー0kcalという表示になることもあり、消費者に混乱を生じさせていました。ロカボマークをつける商品については、ロカボ糖質(1g=4kcalのエネルギーを持つ糖質量)として表示するので、上記のデザートはロカボ糖質0g、カロリー0kcalという表示になります。
このことはロカボ表示こそが消費者に理解しやすい糖質量になることを意味しています。なお、世界的な食品表示では、carbohydrate(炭水化物)の表示義務はなく、available carbohydrate(≒ロカボ糖質)の表示義務が記載されています。
よって、世界的にはロカボ糖質こそが表示するべき姿なのです。
世界的な食品表示では、炭水化物の表示義
務はなく、ロカボ糖質が記載されています。

CHAPTER 02

一般的な健康診断では空腹時の血糖値しか測ること
ができない。
重要なのは「食後血糖値」
本来、糖尿病の人はもちろん、境界型の人も食後血糖値をちゃんとチェックして、上下動がないことを見るべきです。また最近では、糖尿病ではなくても食後高血糖そのものが認知機能など様々な問題の原因になっているとも言われます。これからはどんどん自己血糖測定が普及するべきだと思います。
最近では、薬局で手頃な価格で買える血糖測定器が発売されていますので、是非、購入して気軽に測ってみてください。これまで健診の結果から健康だと思っていた人たちが、自身の食後高血糖に気付いて生活習慣を見直すなどするかもしれませんし、将来的な認知機能の低下予防やがんの発症予防にもなるかもしれません。
測定器の値段はメーカーによって違いますが、ある有力メーカーの商品は、測定する機械と穿刺器具、それに数十本の針と試験紙がセットになって約1万円です。消耗品の金額を省くと、機械本体と穿刺器具の値段は合わせて5000円ほどでしょう。毎回使う試験紙と針は、合わせて100円前後から手に入ります。スタートで1万円、ランニングコストは1回100円です。たったこれだけの投資で自分の体の状態を正確に測ることができるのですから、是非、検討してみてください。
通常のケーキと低糖質ケーキの
食後血糖値イメージ
「食後高血糖」には心臓病や脳卒中などを
引き起こすリスクがあります。
自分で血糖値を測れるって本当ですか?
どうすればいいのですか?
通常、血糖値は健康診断で測ります。健康診断では血糖値以外にも色々な要素を調べなければならないので、朝ご飯を抜いた状態の血液を採ることになります。一方、糖尿病の前段階で血糖値が異常になるのは、空腹時血糖ではなくて食後血糖が先になります。特に日本人の場合はインスリンの分泌が弱いので、健常者と思われる人でも食後の血糖値は意外と高くなっていることがあります。
今、日本人には約2000万人、6人に1人の血糖異常者がいると言われています。私たち食・楽・健康協会でセミナーをやって、食前・食後で血糖値測定をすると、1食の糖質が100g程度の通常食を食べた人の食後平均血糖値は170前後になります。実は健康診断で健康だと言われた空腹時血糖値が正常な人の中で、2人に1人以上が食後血糖値異常ではないかと思われるわけです。
これを調べるために、最近では血糖値を測ることができる施設を備えた薬局もありますが、もっと簡単なのは血糖測定器を購入し、ご自身で測ることです。日本の場合、医療機関から自己血糖測定器を渡すことができるのは、インスリンのような注射薬を使っている糖尿病患者さんに限定されます。ところが注射薬を使っている人しか自己血糖値測定ができないのは発展途上国レベルだとの批判の声もあるのです。
日本人は6人に1人の血糖異常者がいると
言われています。
血糖値を測る最も手軽な方法は、調剤薬局で血糖測定器を購入し、ご自身で測ることです。

CHAPTER 03

手軽で負担がかからない 手軽で負担がかからない

毎食前後測って自分の体の状態の把握をしましょう!

STEP1: 測定器を探す
測定機器は、町にある一般的な調剤薬局で買うことができます。個人向けの血糖測定器は何種類か発売されていますが、多くはインスリンを自分で注射する糖尿病患者さん向けのもので、これは保険適用になります。しかし糖尿病患者さん以外の人が、気軽に自費購入できる測定器も販売されています。糖尿病の方に限らず、自分は健康だと思われている方でも、食前食後の血糖の動きを測ってみることは非常に重要ですので、ご自身の状況に合わせて、適切な測定器を探してみてください。
自己測定器の一例 :

アキュチェックアビバ ナノ(ロシュ・ダイアグノスティックス製)

アキュチェックSTメーター(ロシュ・ダイアグノスティックス製)

STEP2: 手を洗う
血液採取の際の注意事項としては、まず穿刺器具は使い回ししてはいけないということ。測定器本体はご家族などで共有できますが、穿刺器具は個人でひとつずつ持っておくべきです。また指の先は思っている以上に汚れているものなので、測定前にはきちんと手洗いをしてください。指先のよごれによって、測定値が左右されることがあります。
STEP3: 採血
測定するにはまず、指先から血液を採取する必要があります。測定器には指先に小さな穴をあける穿刺器具がセットになっています。血液を採るので不安もあると思いますが、ゴムで軽くぱちんとはじいた程度で、ほとんど痛みは感じない方が多いようです。採る血液もごく微量のごま粒大ほどなので、ほとんど指に負担はかかりません。
STEP4: 血液を測定器にかける
毎日、毎食前後に測ってもまったく問題はありません。インスリン投与患者さんは1日4〜6回程度やっていますし、10本ある指のうちどこから採っても構わないので、測定のたびに指と穴をあける場所を変えると良いでしょう。採った血液は試験紙に付着させ、測定器にかけます。するとわずか5秒ほどで血糖値が表示されます。
20〜30年前まで、血糖値を測定するために、現在の何十倍もの血液量が必要でした。しかも痛くて時間もかかり、測定器も毎回洗浄しなければなりませんでした。それを考えると、今は夢のように気軽に測定ができる時代になったのです。
針と試験紙は使い捨てです。試験紙は自宅で廃棄できますが、使用済み針は自宅で処分できません。ペットボトルなどの安全な容器に集め、たまったら医療機関か薬局に持っていきましょう。
多くの潜在的血糖異常者がいるこの日本で、自己血糖測定が普及し、ご自身の体の状態をいち早く把握できるようになったらいいなと思っています。